検索履歴が「3歳 落ち着きがない」「発達グレー 家でできること」で埋まってる方、こんばんは。ハルママです。
うちの娘、いま3歳。数年前は健診で引っかかって、いわゆるグレーゾーンと言われる側にいました。今はもう、朝から晩まで一人でしゃべり続ける小型ラジオみたいになってるんですけど、あの頃の私は毎晩スマホで同じような検索をしていました。
療育の予約は取れない。でも何もしてない自分が怖い。かといって夜9時の私は残り体力ゼロ。この三重苦のなかで、私が最後まで残した1冊と、その本のイマイチだったところを全部書きます。宣伝みたいな綺麗な話にはしません。
落ち着きがない3歳、家でできることを探して迷子になった
あの頃の検索、たぶん延べ100時間くらいやってます。で、何が起きたかというと、情報を集めるほど「私がやってないこと」のリストが増えていくんですよ。
やれ声かけを変えろ、絵カードを作れ、生活リズムを整えろ、スケジュールを見える化しろ。全部たしかに正しいんです。正しいんですけど、全部やる人はもう限界を超えてる。私はフルタイムで働いて、上の息子の世話もあって、夜は洗い物の山と対峙してるんですよ。
結果として、私がやったのは「情報を集めて、何もしないで寝る」という最悪のループでした。罪悪感だけ複利で増えていくやつ。あれをやっている間、娘に何かしてあげられた記憶がほぼないです。
療育の予約が取れるまでの数カ月がいちばんしんどい
支援の入り口に立つまでが、いちばん心細いんですよね。相談はした、予約もした、でも順番が来ない。空白の数カ月だけがある。
この期間って、専門家のアドバイスがまだ手元にないのに、目の前の子どもは今日も動き回ってるわけです。今日をどうするかの答えが誰からも来ない。あの時期の心もとなさ、経験した人には一生忘れられないと思います。
「発達グレーにいい」と言われるもの、だいたい親の体力が前提
そしてもうひとつの壁。世に出てる「いいこと」って、だいたい親の稼働時間を要求してくるんです。
毎日15分向き合ってください。丁寧に見守ってください。落ち着いた声で伝えてください。……いや、私、落ち着いた声を出す体力がもうないんですって。夜の私は声のトーンを選べる人間じゃない。
なので私の探し物の条件は、途中からこうなりました。頻度が少なくて、道具がいらず、親がヘラヘラしててもいいもの。ハードルを下げすぎでしょって思われそうですけど、続かない方法を選ぶことがいちばんの無駄なので。
結論、うちに最後まで残ったのは「体の使い方」を変える系でした
先に結論を書きます。私が最後まで手元に残したのは、声かけの本でもスケジュール表でもなく、体の動かし方の本でした。
理由は単純で、これだけ「私が上手にしゃべる必要がない」からです。声かけ系は私の技術に成果が依存するんですけど、体を動かす遊びは、私が下手でも成立する。この差はズボラ勢にとって決定的でした。
声かけの工夫より前に、やることがあったっぽい
その本にはこう書いてありました。姿勢が崩れていたり、体の使い方が未熟だと、体から脳に送られる情報にノイズが混じる。だから外の刺激に過敏になったり、切り替えが極端に苦手になったりする、と。
つまり大人がどれだけ工夫して伝えても、受け取る側の準備ができてないと届きにくいという話。これを読んだとき、私が正直ちょっと救われたのは、これは私の伝え方が悪かったせいじゃないのかもしれない、と思えたところです。あの頃の私は、娘のことを全部自分の育て方の結果として抱えてたので。
もちろんこれは本に書かれていた考え方で、うちの娘に当てはまったかどうかは私には証明できません。ただ「まず土台の方を触ってみる」という順番は、私にはしっくりきました。
きっかけは理学療法士さんが書いた1冊
その本が、池上悠さんという理学療法士さんが書いた『子どもの気になる言動が改善する からだの使い方』です。理学療法士とアスレティックトレーナーの資格を両方持ってる方で、保育園に出向いて0歳から6歳の子に運動指導もされているそう。
私が引っかかったのはそこでした。子どもの体を、机の上じゃなく現場で山ほど見てきた人が書いてる。育児本というより、体の専門家が親向けに翻訳してくれた本、という感じです。
先に言います、この本の残念だったところ3つ
紹介する側が良いところしか書かない記事、もう飽きたと思うので、先に不満から書きます。私が読んで「うわ、そこか」と思ったのは3つです。
理論パートが長い、結論から読みたい人には遠い
まず、なんで運動なのかという説明がしっかりあります。姿勢と呼吸と自律神経の話とか、体幹が支点になる話とか。丁寧なんですけど、丁寧なんですよ。
私、最初は「メニューだけ教えて!!」って心の中で叫びました。今日の夜どうするかを知りたい人間なので。ただこれ、後から効いてきます。理由がわかってないと「意味あるのこれ」って途中でやめるんですよね。私は一度そこで挫折した経験があるので、結果的にこの長さは必要経費だったと思ってます。
実践メニューがどこから始まるのか分かりにくい
これが最大の不満。悩み別の章が、見出しの見た目が全部同じ粒度で進むんです。だから「説明ゾーン」と「はい実践」の切り替わりが、パッと開いて視覚的に分からない。
疲れてる親って、目次から該当ページに飛んで、5秒で今日やることを見つけたいんですよ。そこがちょっと遠い。私は自分で付箋を貼って解決しました。原始的だけど、これがいちばん早かったです。
即効性はない、週1回×3カ月が前提
そして一番大事なところ。この本、明日変わりますとは一言も言ってません。目安として提示されているのが、週1回を3カ月。
つまり最短でも3カ月は答え合わせができない。今すぐどうにかしたい人には、この本は向いてないです。私も読み終わった直後は「3カ月……」って軽く天を仰ぎました。
それでも捨てなかった理由は「週1回でいい」だった
で、ここが逆転ポイントなんですけど。3カ月と聞いてげんなりした私が、最終的にこの本だけ残した理由は、まさにその「週1回」なんです。
毎日やらなきゃ、から解放された話
考えてみてください。毎日15分の方法と、週1回でいい方法。どっちが3カ月後まで生き残るか。うちは断然後者でした。
しかも本の中に、変化の出方には個人差があるから、焦って頻度を上げると親子ともにプレッシャーになる、と書いてあるんです。頻度を上げるな、と本人に止められる本。初めて読みました。ズボラを許容してくれるどころか、推奨されてる感じ。
この一文で、私の中の「今日もできなかった」カウンターが止まりました。週1回でいいなら、土曜の午前でいい。土曜の午前にやれば、あとの6日は堂々とダラけていい。この設計、限界勢に優しすぎます。
1分だけ参加でOK、という逃げ道が用意されてる
もうひとつ助かったのが、嫌がる子への対応。ハードルを極端に下げていい、と書いてあります。30分の枠でも、最初の1分だけ参加できたらそれでいい、みたいな。
うちの娘、当時は誘っても3回に1回は乗ってきませんでした。以前ならそこで「今日もダメだった」と落ちてたんですけど、この本の基準だと1分でも成立するんです。しかも褒め方も、他の子と比べるんじゃなくて、前のこの子と比べて言葉にする。今日は足あげられたね、みたいな。
これ、私自身にめちゃくちゃ効きました。1分でも成立するなら、私も自分を責めなくていいので。
実際にうちでやってみた家遊び3つ
うちが実際にやったやつを3つだけ紹介します。細かい手順は本に載ってるので、ここでは「何をするやつなのか」だけ。全部、道具ゼロで成立します。
足ピタ!ルーティン(室内・足の裏に感覚を入れる遊び)
室内でできる、足の裏に刺激を入れる遊びです。本の説明だと、足の裏からしっかり感覚が入ることで、地に足がついてる感じが物理的に育つ、という狙い。
うちは雨の日の午前中の定番になりました。娘はただの変な遊びだと思ってて、キャッキャしながらやってました。親側の負担は座って見てるだけなので、正直これがいちばん続いた。
ストップ&ボールゴー(外・止まる練習)
こっちは外向け。目でものを追う力と、自分の体のアクセルとブレーキの切り替えを、同時に使う遊びです。
うちの娘、走り出したら止まらないタイプだったので、これは公園で兄も巻き込んでやりました。兄(当時5歳・仏)がめちゃくちゃ真面目にやってくれるので、妹も一応マネをする。兄弟の下の子は、上の子を見てズルく学ぶという説、あると思います。
タオルの上をそーっと歩く(言われた通りに体を動かす遊び)
これは、耳で聞いた指示を体の動きに変えるタイプの遊び。そーっと、という曖昧な指示を自分の体で表現するのが意外と難しいんです。
やってみて面白かったのが、大人がやっても難しいこと。私もやりましたけど、そーっとの解釈が娘と全然違って、二人で笑ってました。この「親も一緒に動く」が、私の運動不足にも効いてたと思います。本の中でも、親が自分を犠牲にして頑張るより、一緒に動いて楽しむほうがいいと書かれてました。
3カ月後、変わったこと・変わらなかったこと
ここは正直に書きます。奇跡の話は出てきません。
変わったこと
うちの体感で言うと、土曜の午前に体を動かした日は、午後の娘が扱いやすかった、というのが一番はっきりしてました。あと、私が娘のできてないところを数えなくなった。前の娘と比べて褒める癖がついたので、単純に家の空気がゆるくなりました。
3カ月経った頃には、話す量が増えてました。今のおしゃべりモンスター化はここが起点だったのかもしれません。ただこれは、後述の理由で私は運動のおかげとは言い切れないと思ってます。
変わらなかったこと
切り替えの苦手さは、正直そのままでした。テレビを消す瞬間のバトルは3カ月後も普通に発生していました。あと、私が本を読む速度は最後まで改善しませんでした(これは私の問題)。
本のおかげか成長なのか、正直わからない
そして最大の注意点。3歳から3歳半って、ほっといても爆発的に伸びる時期なんですよ。だから娘の変化が、この本のおかげなのか、ただの成長なのか、私には切り分けられません。
「これで発達が改善します」と言い切る記事があったら、私はちょっと疑います。私が言えるのは、うちの家では続いたし、私の心が軽くなった、というところまでです。
向いてる家庭・向いてない家庭
3カ月やって思った、向き不向きです。
向いてる:情報疲れしてる/療育待ち/下の子がいる
まず、情報を集めすぎて動けなくなってる人。やることが週1に絞られるので、脳のタブが閉じます。
次に、療育や相談の順番待ちの人。専門的な支援の代わりにはならないですけど、待ってる間に家でやれることがあるという状態は、精神衛生上ぜんぜん違いました。
あと、下の子がいる家庭。うちは兄妹まとめて公園に投げ込む形で成立したので、一人だけ特別に時間を取らなくていいのは大きかったです。
向いてない:即効性が欲しい/親が動く余裕がゼロ
来週までにどうにかしたい、という状況の人には向きません。設計が3カ月なので。
もうひとつ、親がまったく動けない時期の人。この方法、親が一緒に体を動かす前提のパートがあります。もし今、自分の体力が完全にゼロなら、まず自分が回復するほうが先です。子どもの前に自分、これはこの本自体もそういうスタンスでした。
活字を読む体力すらない人へ(耳で聞くルート)
ここまで読んで「本を読む時間なんてないんですけど」と思った方。わかります。私も紙の本を1冊読み切るのに3週間かかる女です。
この本、オーディオブック版(Audible)と電子書籍版もあります。私は理論パートを通勤と皿洗い中に耳で流して、メニューのところだけ紙で確認する二段構えにしました。理論が長いのが不満、と先に書きましたけど、耳ならその長さがまったく苦になりません。むしろ皿洗いの15分が勝手に消化されます。
Audibleは無料体験期間があるので、この本を聞くために入って、体験期間中に聞き終わるという裏技も一応成立します。私のAudible活用の話はこっちにまとめてるので、よかったら。

よくある質問
何歳くらいの子向け?
想定されているのは3歳から8歳くらいの子を育ててる保護者です。うちは3歳と5歳でちょうど両方に使えました。小学校低学年くらいまでは普通に使えると思います。
診断がなくても読んでいい?
読んでいいと思います。うちも当時は診断がついてない状態でした。落ち着きがない、切り替えが苦手、転びやすい、あたりが気になってる段階の親向けに書かれてる本です。
ただ、ひとつだけ。これは専門家の支援や相談の代わりにはなりません。気になることがあるなら、本と並行して相談の予約は進めておくのがいいと思います。うちも本を読みながら、療育の順番はちゃんと待ちました。あくまで、家でできることが1つ増えるだけです。
運動を嫌がる子でもできる?
嫌がる前提で書かれてます。1分だけ参加でOK、最初の挨拶だけでもOK、というハードルの下げ方が本に書かれているので、うちみたいに3回に1回しか乗ってこない子でも一応成立しました。誘って断られた日を失敗にカウントしないでいいのが、この本のいいところです。
まとめ:3カ月後の自分に渡せるものが1つあるだけで、だいぶ違う
あの頃の私がいちばんしんどかったのは、娘の状態そのものより、何もしていない私という感覚でした。
この本を読んで劇的な何かが起きたわけじゃないです。切り替えの苦手さは残ったし、変化の理由も証明できない。でも、土曜の午前に週1回やることがあるだけで、平日の私が自分を責めなくなりました。それが3カ月続いた結果、家の空気が軽くなった。私が得た成果は、たぶんそこです。
もし今、検索履歴が同じような言葉で埋まっていて、夜に一人でスマホを握ってるなら。毎日じゃなくて週1回でいい、というだけの本が1冊あることは、知っておいて損はないと思います。
そして今日の夜は、何もしないで寝てください。それでいいです。私が保証します。