「英語教室って、椅子に座れる子の習い事でしょ」
半年ほど前まで、私は本気でそう思っていました。
わが家の娘、当時2歳半。単語がいくつか出るくらいで、公園で会うお友だちがすでに二語文で母親と交渉していたころです。しかも座らない。10秒で立つ。私が説明を聞いている間に部屋を横断して帰ってくる。そんな子に英語なんて、日本語を追い越して混乱させるだけじゃないかと、当時の私はけっこう真剣に悩んでいました。今は毎日「ママきいて!あのね!」で家が満席状態なので、あの悩みが遠く感じますが、当時は本当に眠れなかったんです。
結論から言います。ビースタジオ、続いています。娘は行きたがります。ただ、うちにとってどうしても許せない不満も、はっきり3つあります。
先にその3つを全部出します。良いところから並べる記事は世の中にたくさんあるので、私はここから始めます。
なお、これはあくまでわが家の体験談です。ことばの発達や特性の悩みは、専門家に相談するのが前提だと私は思っています。英語教室は発達をどうにかするものではありません。そこは正直に書きます。
先に言います。ビースタジオでうちが「これは無理かも」と思った3つのこと
まず、良い話を期待して来た方には申し訳ないのですが、うちが入会前に知っておきたかったことを3つ並べます。この3つを飲めるかどうかが、正直いちばん大きな分かれ目でした。
わが家は最初、月謝の金額と教室の場所だけ見て「まあ行けるな」と判断しかけました。ところが実際に規約や費用の説明を受けてみると、月謝表には書いていないところに地雷が埋まっていたわけです。うち、夫がデータ重視のSEなので、この手の見落としは家庭内レビューで即座に指摘されます。「で、これ年間トータルいくらなの」と。すみません、計算してませんでした。
とはいえ、この3つは「知らずに入って後から怒る」のがいちばん不幸なパターンだと思うので、包み隠さず書いておきます。
自己都合で休むと振替なし。これはワーママの敵です
規約上、インフルエンザなどで医師から登校の許可が出ない場合や、学級閉鎖の指示があった場合を除いて、自己都合による欠席には原則として返金も別日程への振替もありません。休んだ分は専用アプリやウェブの映像レッスンで補ってね、という運用です。
これ、口コミでも一番よく叩かれているポイントで、私も正直「そこは何とかならんのか」と思っています。3歳児って、朝までピンピンしていて登園直前に発熱するあの技を平気で使ってくるので。フルタイム勤務でスケジュールが読めない家庭ほど刺さる不満だと思います。
ちなみに長期で通えないときは1ヶ月単位で最長3ヶ月の休会制度が使えて、休会中の受講費は免除されます。ただし提出期限が決まっているので、思い立った月からすぐ休めるわけではありません。ここは教室ごとに規定が違うようなので、入会前に必ず聞いてください。
春に教材費がまとめて来ます。月謝だけ見ていると事故ります
ビースタジオの費用は、入会金、年会費、毎月の受講費、そして年度更新時に一括で払う年間教材費の4階建てになっています。問題は最後です。
この教材費、春にドンと来ます。小学生コースでは年間20,980円という目安が示されていて、幼児コースの金額は教室で確認が必要ですが、いずれにしても「月謝×12ヶ月」で家計を組んでいると春に静かに崩壊します。うちは4月に保育園の用品代と娘の靴と息子の自転車が同時に来る家なので、そこに教材費が並んだときの顔をお見せしたい。
ただ、この教材費にはベネッセのオリジナル教材と、自宅で回数制限なしに観られる映像レッスンのシステム利用料が含まれています。だから金額そのものは私は納得しています。納得はしているけど、来る月を知っておきたかった。それだけです。
教室と先生の当たりはずれのリスクは、正直まだあります
ビースタジオには講師が自宅などで開くホーム校と、商業施設内の直営のプラザ校、それに地域の教育事業者が運営する提携パートナー校があります。ホーム校はフランチャイズ形式なので、構造上どうしても教室ごとの設備や広さ、空調、先生の熱量に幅が出ます。
本部が月1回進度を確認して先生にフィードバックする仕組みはあるようですし、そもそも講師の採用率は日本人でおよそ8%、採用後に60時間以上の初期研修と年間10回以上の継続研修があるという、けっこうな狭き門です。そこは安心材料でした。
でも、うちの娘に合うかどうかは統計では決まりません。だから体験レッスンは絶対に行ってください。私は行かずに決めようとして夫に止められました。止めてくれてありがとう。
それでも3歳の娘が「行きたい」と言い続けた理由
さて、ここまで不満を並べておいて何なんですが、娘は行きたがります。金曜の朝に「今日えいごの日?」と聞いてきます。座れない、話さない、初めての場所で私の足にしがみついて発光していたあの娘が、です。
理由はたぶん2つあります。
ひとつは、しまじろうがいたこと。ベネッセなので当然なんですが、これが3歳児に対して反則級に強い。教室の教材にしまじろうが出てくる、MimiやPipponというオリジナルキャラクターも出てくる。娘にとって教室は「英語を習う場所」ではなく「しまじろうのいる部屋」でした。初めての場所が苦手な子にとって、知っている顔がひとつあるかないかは、大人が思っている以上に大きいです。
もうひとつは、レッスンの構造。幼児コースは1回50〜60分ですが、その間ずっと椅子に座っているわけではありません。ハローソング、絵本の読み聞かせ、チャンツで単語、歌とダンスとごっこ遊び、そして最後にワークで運筆。数分単位でどんどん切り替わっていきます。
これが娘には合っていました。娘は「集中できない」んじゃなくて「同じ姿勢が続かない」タイプだったので、次々変わるほうが逆に落ちなかったんです。座らせる形式の習い事でつまずいた方には、ここは見てほしいポイントだと思います。
雰囲気を見るだけでも収穫があると思うので、気になった方はまず無料体験レッスンの空き状況をのぞいてみてください。
日本語が遅いのに英語なんて。一番迷ったのはここでした
ここが、私が入会前にいちばん検索した部分です。そして検索しても、ほしい答えがどこにも書いてありませんでした。
「日本語がまだ出ていない子に英語をやらせて大丈夫なのか」
もう一度書きますが、私は専門家ではありません。判断は必ず医師や保健センター、発達の専門機関に相談してください。うちも並行して相談していました。ここに書くのは、あくまで「わが家がなぜ通うことにしたのか」という話です。
日本語の土台を切り離さない設計だったこと
日本人講師のレッスンでは、日本語でのリラックスタイムや絵本の読み聞かせの時間が組み込まれています。そのうえで、歌やダンス、ストーリー、クラフトの活動が英語中心で進んでいく流れです。
私にとっては、これが決め手のひとつでした。完全に英語だけの環境に3歳の娘をひとりで放り込む勇気は、当時の私にはなかったんです。日本語で困ったときに日本語で助けてくれる大人がその場にいる。それだけで私の心拍数が下がりました。娘のためというより、私が耐えられるかどうかの問題だった気もします。
一度で覚えられない前提で作られていたこと
ビースタジオは螺旋型カリキュラムといって、一度出てきた表現や単語が、翌月以降に別のテーマや場面でもう一度出てくる作りになっています。
これ、地味に見えてうちには相当ありがたい設計でした。娘は初回で覚えません。3回目くらいで急に口から出てきます。「今月これを覚えましょう」で進む教室だと、たぶん娘は毎月置いていかれて、私が家で焦って追いかけて、二人で疲れて終わっていたと思います。戻ってきてくれる前提のカリキュラムは、ゆっくりな子とその親のメンタルにやさしいです。
点数ではなく「できたこと」で返ってくる評価だったこと
年1回、小中学生向けにGTEC Juniorという4技能検定があって、結果が点数だけでなく「英語を使って何ができるか」という形で返ってきます。決まった表現を使い始めているレベル、なじみのある英語を使えるレベル、といった具合に。
3歳の娘にはまだ先の話ですが、私はここを見て長く通う気になりました。誰かと比べる数字ではなく、去年の自分と比べて何ができるようになったかで返ってくる評価。発達がゆっくりな子の親をずっとやってきた人間としては、この方向性はかなり救いです。
同じところで迷っている方には、体験のときに先生に直接聞いてみるのがいちばん早いと思います。ことばがゆっくりな子への対応も含めて相談できます。→教室の雰囲気と先生を確かめる
3歳はどのコース?0〜3歳と3〜6歳の境目でつまずいた話
わが家が地味に混乱したのが、コース選びです。3歳ってちょうど境目なんです。
0〜3歳向けはベビー英語・知育コースで、保護者同伴、1回40〜50分、月2〜3回。英語と知育を掛け合わせたプログラムで、専用スピーカーや音声つき絵本などの家庭用教材と連動しています。
3〜6歳は幼児コースで、1回50〜60分、年間40〜42回。年少から年長までが対象です。
つまり同じ3歳でも、月齢と性格でどちらもありえます。そして共働きにとって決定的に違うのが、保護者同伴かどうか。ここは死活問題です。月2〜3回で親も一緒に楽しむのか、毎週送り出して自分は買い物を済ませるのか。どちらが正解というより、どちらならうちが1年続けられるかで選ぶべきだと思います。
なお、0〜3歳向けコースは2026年4月にリニューアル予定という案内が出ています。この記事は執筆時点の情報なので、最新の内容と回数は必ず教室で確認してください。
うちは娘の月齢と、親の体力を正直に見積もって決めました。悩んだら、教室に「うちの子はどっちですか」と聞いてしまうのが早いです。→相談だけしてみる
ホーム校とプラザ校、立地じゃなく性格で選びました
ビースタジオには大きく3つの教室形態があります。ここを料金と距離だけで選ぶと、けっこう後悔するポイントだと思っています。
| 項目 | ホーム校(日本人講師) | プラザ校(日本人講師) | プラザ校(外国人講師) |
|---|---|---|---|
| 入会金 | 5,500円 | 11,000円 | 11,000円 |
| 年会費 | 0円 | 6,600円 | 6,600円 |
| 月額受講費(幼児) | 7,810円 | 9,394円 | 11,770円 |
| 場所 | 講師の自宅や地域の貸し会場 | ショッピングモールやスーパー内 | 同左 |
| 雰囲気 | 少人数でアットホーム | 選べる曜日と時間が多い | ネイティブの音に直接触れられる |
※すべて執筆時点の税込目安です。地域や教室によって冷暖房費などの設備費が別途かかる場合があります。
初めての習い事が不安な子、日本語でのフォローがほしい子は、ホーム校の日本人講師コース。物怖じしない子や、ネイティブの発音と異文化の空気に早くから触れさせたい家庭は、外国人講師が在籍するプラザ校。これがだいたいの棲み分けです。
うちは娘の人見知りを考えて、迷わずホーム校にしました。同じ先生に長く見てもらえるのも、うちの子には合っていたと思います。ただ、送迎のついでに買い物を終わらせたい方や駐車場が必須の方には、プラザ校の利便性はかなり魅力的です。このほかに、地域の学習塾などがベネッセのカリキュラムを導入して運営する提携パートナー校もあります。
料金のリアル。月謝以外に何がいくら来るのか
さっき地雷として書いた費用の話を、もう少し具体的に整理します。うちのケース、ホーム校の日本人講師コースです。
最初に入会金5,500円。年会費は0円。毎月の受講費が幼児で7,810円。そして年度更新時に年間教材費が一括で来ます。小学生コースでは20,980円が目安として示されていて、幼児コースの金額は教室での確認が必要です。
この教材費が高いと感じるかどうかは、中身を見るかどうかで変わると思います。ベネッセのオリジナルテキストに加えて、自宅で回数無制限に観られる映像レッスンのシステム利用料が含まれているので、実質「教室代+家庭学習の年間サブスク代」という理解でいます。休んだ日にこれで埋める運用でもあるので、うちは使わない月がありません。
他社と並べると、ビースタジオはだいたい中間層の価格帯です。外国人講師中心の教室より抑えめで、月謝最安の教室よりは高い。安さで一位を狙う商品ではないと思います。
それと、これはどこの記事にも書かれていないのに大事だと思ったのですが、会員には追加負担なしで傷害・賠償の保険が付いています。教室の管理下や往復途上のケガに対する見舞金と、他の子の持ち物を壊してしまった場合などの賠償補償が付帯しています。3歳児を連れて出入りする親としては、正直これが一番刺さりました。うちの娘、走るので。
金額は地域や教室で変わるので、正確な数字は問い合わせるのが確実です。→うちの地域の料金を確認する
体験レッスンで「今日決めますか」に飲まれないための準備
ここは正直に書きます。ビースタジオの体験には、けっこう強めの即決インセンティブがあります。
無料体験レッスンに参加して、当日または翌日までに入会の意思を伝えると、通常5,500円〜11,000円の入会金が全額無料になる、という設計です。他社の英語教室からの乗り換えなら、猶予が1週間程度に延びるケースもあります。
これ、家計としてはありがたい話です。ただ同時に、比較検討する時間を意図的に短くする仕組みでもあります。私はここで「今決めれば1万円」の圧に完全に飲まれかけました。冷静な夫が「他社も見てから」と言ったので踏みとどまりましたが、結果的にはビースタジオを選んだので、あの1万円は払いました。悔しい。
なので、体験に行く前に3つだけ決めていってください。月に出せる上限額、通える曜日と時間、そして絶対に譲れない条件。これを紙に書いてから行けば、当日その場で判断しても後悔しません。
体験の日にこれだけは見てきてください
- 娘が離席したとき、先生がどう対応したか。止めるのか、待つのか、活動に戻す導線があるのか
- 教室の広さと空調。ホーム校は特に差が出ます
- クラスの人数と年齢構成。同じ3歳がいるのか、上の学年に混ざるのか
- 振替と休会の運用を、規約ではなく先生の言葉で確認する
- 年間教材費の金額と、請求される月
私はこの5つを聞いてから決めました。特に1つ目、うちの娘が立ち上がったときの先生の顔を見て、ここにしようと思いました。
体験は無料なので、比較材料としてとりあえず1回行ってしまうのが早いです。→無料体験の日程を見てみる
こんな子には合いそう/うちなら選ばないかも
最後に、合う合わないを両方書きます。全員におすすめする気はありません。
合いそうだと思うのは、ひとつの活動が長く続かない子。数分ごとに切り替わる構成なので、座り続ける形式で挫折した子に向いています。初めての場所が苦手な子も、しまじろうという既知の存在がクッションになります。日本語のフォローがある環境で始めたい家庭、そして送迎の利便性を優先したい共働き家庭にも合うはずです。
逆に、うちなら選ばないかもと思うのは3パターン。ひとつめは、勤務シフトが読めなくて振替がないと成り立たない家庭。ここは仕組み上どうにもなりません。ふたつめは、完全にネイティブだけの環境にこだわる家庭。日本人講師コースは日本語のフォローが入る前提なので、方針が違います。みっつめは、初期費用をとにかく最小にしたい家庭。入会金と年間教材費を含めた初年度の総額で見ると、月謝最安の教室には勝てません。
うちは1つ目がギリギリでした。それでも続けているのは、映像レッスンで埋められる仕組みがあったからです。
よくある質問
まとめ|椅子に座れない子の習い事、あきらめなくてよかった
正直な不満は、最後にもう一度書いておきます。自己都合の欠席は振替なし。春に教材費がまとめて来る。教室と先生の当たりはずれのリスクは残る。この3つです。ここを飲めない家庭には、私はおすすめしません。
それでもうちが続けているのは、あのとき「座れないから無理」であきらめなかった結果、娘が金曜日を楽しみにする顔を手に入れられたからです。英語がどれだけ身についたかは、まだ正直わかりません。3歳ですから。
でも、初めての場所で私の足から離れられなかった娘が、自分で靴を履いて教室に入っていく。それだけで、あの時期に眠れなかった自分に報告したいことがあります。大丈夫だったよ、と。
同じところで止まっている方がいたら、体験だけでも行ってみてください。合わなかったら断ればいいだけです。私も一度、別の習い事で断りました。世界は滅びませんでした。