妊娠がわかって最初にやったこと、それは「出産準備リスト」の検索でした。上から順にカートへ放り込んで、合計金額を見た瞬間に白目。おまけに夫(データ大好き論理派SE)から「このレビュー、評価の分布がちょっと怪しいけど根拠ある?」と言われ、つわりで死んでる深夜に比較表を作らされる羽目になりました。あの時の私に言いたい。全部買わなくていい。
あれから5年。5歳の息子と3歳の娘を育てながらフルタイムで働いている今、はっきり言えることが一つあります。出産準備で本当に効いたのは、赤ちゃんが喜ぶ物ではなく、私と夫が倒れずに回せる物でした。
この記事では、二人育てて心の底から「これは要る」と思った10個だけを、買う順番つきで置いておきます。逆に、買ったのに戸棚で眠っている物も正直に書きます。ママ友にLINEを送るテンションでいくので、寝ながら読んでください。
出産準備の正解は「夫が触れるかどうか」でした
出産準備の記事って、だいたい「赤ちゃんが快適に過ごせるか」を基準に商品が並んでいます。もちろん大事。でも一人目のとき、私が一番しんどかったのは赤ちゃんの機嫌ではなく、全ての手順が私の頭の中にしかない状態でした。
哺乳瓶の消毒の手順、ミルクの温度、抱っこ紐のバックルの留め方。夫はやる気があるのに、毎回「これどうするの」と聞いてくる。教える側も体力を使うので、最終的に「もういい、私がやる」と言ってしまう。あれが育児界で言う見えない負担、いわゆるメンタルロードの正体だったんだなと今ならわかります。
二人目で方針を変えました。買う基準を「夫がマニュアルなしで触れるか」に一本化したんです。ボタン一つで終わる。前から留められる。そのまま飲ませられる。それだけで、私の指示出しが減って、夫の当事者意識が上がって、私の睡眠が増えました。値段よりこの基準のほうが、正直リターンが大きかったです。
なので以下の10個は、すべて「夫と共有できるか」で選んでいます。パートナーと一緒に読める記事になっているはずなので、よかったらこのままスマホを渡してください。
妊娠中の自分を守る3つ、これは先に買っておいて
産後に必要な物ばかり調べていて、妊娠中の自分をケアする物を後回しにするプレママさん、めちゃくちゃ多いです。私もそうでした。でも妊娠中の体は、ホルモンの影響で関節も皮膚も今までと別物になります。腰が痛い、寝られない、お腹がかゆい。この三重奏で機嫌が最悪になり、夫に理不尽な圧をかけていたのは私です。すみませんでした。
産後の回復スピードは、妊娠中にどれだけ体を守れたかでけっこう変わります。産む前の自分に投資するのは甘やかしではなく、産後を戦うための準備です。まずはこの3つだけでも先に確保しておいてください。
妊娠線クリームはケチらない、これだけが唯一のコツ
妊娠線は、お腹が急に膨らむスピードに皮膚の奥の層が追いつかず、繊維が裂けてしまうことでできるもの。いったんできると産後も完全には消えないので、予防が全てです。
選んだのはママ&キッズのナチュラルマーククリーム。理由は二つあって、完全な無香料なのでつわり期でも塗れること、そして余ったら産後に赤ちゃんの全身保湿としてそのまま使えることです。大容量470gで8,000円前後と聞くと一瞬ひるむんですが、妊娠線予防の鉄則は「もったいないと思わずにティッシュが貼りつくくらい塗る」こと。小さいサイズをちびちび使って結局線ができるほうが後悔が大きいので、最初から大きいのを買って豪快に塗ってください。
夫に「これ買っといて」とURLを投げると、なぜか張り切って調べて買ってきます。最初のマタニティギフトとして渡すと喜ばれるジャンルなので、遠慮なく頼るのがおすすめです。
抱き枕は産後に授乳クッションへ化ける二毛作アイテム
妊娠中期を過ぎると仰向けで寝られなくなります。お腹の重みで血管が圧迫されて、息苦しくて夜中に何度も起きる。横向きで寝る姿勢をキープするために、抱き枕はほぼ必須でした。
私が使ったのはたまひよSHOPの、授乳クッションになる妊婦さんの抱き枕。中わたが厚くてへたりにくくて、脚の間に挟むと腰と骨盤がすごく楽になります。そして本番は産後。両端を留めると授乳クッションに変形するんです。これがないと前かがみで授乳を続けることになり、肩と手首が死にます。私は一人目で手首をやって、湿布を巻きながらパソコンを打っていました。
カバーだけでなく本体ごと洗濯機で洗えるのも地味に重要です。赤ちゃんは吐きます。ミルクもこぼします。洗えない物は育児の現場では長生きしないので、丸洗いできるかどうかは毎回チェックしてください。
骨盤ベルトは巻く位置を間違えると逆効果になる
妊娠中は骨盤の関節をゆるめるホルモンが出るので、恥骨や尾てい骨のあたりが痛くなって、寝返りすら一大事になります。犬印本舗やトコちゃんベルトが定番で、産後の体型戻しでもお世話になります。
ただこれ、正しく巻けていないと効果が出ないどころか体に負担をかけます。私も最初、完全に間違えていました。押さえておきたいのはこのあたり。
- 巻く位置は、太ももの付け根の外側にある骨と恥骨の上を結ぶ低いライン。お腹まわりの高い位置で締めるのは間違いです
- 強さは、ベルトと体の間に指が2本か3本入るくらい。痛いのを我慢して締めると血流が悪くなってむくみます
- 寝ている間も含めて24時間着けっぱなしにしない。自分の体幹の筋肉が働かなくなります
- 仰向けで膝を立て、お尻を少し浮かせて骨盤の位置を整えてから巻く。立ったまま巻くと日中にずれます
痛みが強いときは、自己判断で締めるより産院や整骨院で一度巻いてもらうのが一番早いです。私は助産師さんに巻いてもらった瞬間、こんなに違うのかと声が出ました。
深夜3時を生き延びるための授乳インフラ2つ
新生児期を一言で表すと、2時間から3時間おきに永遠に終わらない作業が発生し続ける工場です。作る、飲ませる、洗う、消毒する、乾かす。この工程が昼夜の区別なく襲ってきて、気づけば私はキッチンで立ったまま寝ていました。
ここで大事なのは、気合を入れることではなく工程を減らすことです。人間の善意と根性でカバーしようとすると、だいたい母親のほうが先に壊れます。お金で工程を消せる場所は、遠慮なく消しましょう。私が消した工程はこの2つでした。
哺乳瓶の除菌と乾燥はポチットに丸投げする
日本だと薬液に浸ける方式や電子レンジ方式が主流ですが、私にはどちらも合いませんでした。薬液は交換が面倒、レンジは終わった後に瓶の中に水滴が残って、それを拭くのか乾くまで待つのかで毎回悩む。この名前もない家事が、深夜にじわじわ効いてくるんです。
ピジョンのポチットは、水を入れてボタンを押すだけで、高温スチームでの除菌から乾燥まで全部やってくれます。除菌は約12分、乾燥は約45分。終わったらそのまま容器の中で清潔に保管できるので、水切りラックが消えます。実勢価格は16,000円から17,000円台。高いです。でも1日15分の拭く待つを消せるなら、新生児期の3か月でだいたい20時間は返ってきます。私はその20時間で寝ました。
正直なところ、本体が炊飯器くらい大きいので置き場所は先に決めたほうがいいです。あと週に1回くらいクエン酸で水垢を落とす手入れは必要、終了音もけっこう大きい。それでも私が推す最大の理由は、夫が使えるからです。ボタン一つなので教える必要がない。これで夫が夜間の担当に入れるようになりました。
液体ミルク+アタッチメントは非常袋にも入れておく
明治ほほえみのらくらくミルクに、専用のアタッチメントを装着すると、缶に直接ピジョンの母乳実感の乳首を付けて飲ませられます。つまり調乳と移し替えの工程がゼロになります。
外出時にお湯の入った魔法瓶と湯冷ましと哺乳瓶を持ち歩くあの苦行、あれが消えます。車の中でも、夜中の寝室でも、泣き始めた3秒後に飲ませ始められる。使い終わったら缶を捨てられるので、帰宅後に洗い物がないのも最高です。
そしてこれ、防災用の備蓄としてもかなり優秀です。停電して水道が止まった避難所で、お湯もきれいな水も手に入らない状況でも、缶から直接そのまま飲ませられる。赤ちゃんの栄養が命に直結する場面で、この簡単さは本当に強いです。うちは非常袋に常に数本入れて、期限が近づいたら普段使いで消費して入れ替えています。母親がいないと飲ませられないという状況を作らないことは、防災としても家庭運営としても正解でした。
外出装備は「夫と共有できるか」が絶対条件
抱っこ紐とバッグは、ここを間違えると外出のたびに夫婦げんかが発生します。理由は単純で、どちらかの体格や好みに合わせて選ぶと、もう一方が使いたがらなくなるからです。使わないと上手くならないし、上手くならないと任せられない。
とくに抱っこ紐は「サイズ調整が面倒だから交代しない」が起きやすいポイント。外出先で抱っこを代われないと、結局片方だけが肩と腰を壊します。デザインも大事です。夫がかっこ悪いと思う物は、たぶん一生使ってくれません。
ベビービョルン HARMONYは前バックルが正義
抱っこ紐の二大巨頭はエルゴベビーとベビービョルン。どちらも赤ちゃんの股関節の位置を正しく保つ設計として国際的な認証を受けているので、そこの安心感は同じです。
スペックだけ見るとエルゴのほうが有利で、オムニブリーズは約23,800円からで約740g、使えるのは4歳ごろまで。対してHARMONYは約27,329円からで約892g、3歳ごろまで。それでもうちがHARMONYを選んだのは、バックルが全部体の前にあるからです。
背中に手を回してカチッとやる作業、体の硬い人と厚手のコートを着た冬の自分には本当に無理なんですよ。HARMONYは全ての操作を前で片手でできるので、コートを着たまま乗せ降ろしができます。夫が「これなら俺でも行ける」と言った瞬間、うちの外出の難易度が一段下がりました。メッシュで見た目もすっきりしているので、夫が人前で着けるのを嫌がらないのも大きかったです。
マザーズバッグではなくペアレンツバッグを選ぶ
昔はマザーズバッグという名前で女性向けのデザインばかりでしたが、今はペアレンツバッグやパパバッグという括りで、夫婦で使える物がかなり増えました。コールマンやアネロなら4,000円から6,000円台、ダディッコやハーシェルなどの高機能モデルで14,000円から18,000円台が相場です。
選ぶときのポイントは容量20Lから25L、哺乳瓶を立てられる保温ポケット、使用済みおむつを隔離できる防水スペース、背負ったまま中身が取れる背面ファスナー。このあたりが揃っていれば正解です。
そしてこれが本題ですが、夫専用か夫婦兼用のバッグを1つ持つと、夫の立ち位置が変わります。私のバッグから言われた物を取り出すアシスタントではなくなって、自分で準備して自分で対応する人になる。バッグを分けただけで当事者意識が生まれるのは不思議ですが、うちでは間違いなく効きました。
夜を守ってくれる家電2つ、鼻吸い器と見守りカメラ
産後に私のメンタルを削ったものは、寝不足と「この子ちゃんと息してる?」という緊張の二つでした。どちらも気合ではどうにもならないので、機械に任せました。ここは正直、産前に必要性がピンとこないジャンルだと思います。私も一人目のときは後回しにしました。
でも赤ちゃんは自分で症状を説明できません。鼻がつまれば眠れずミルクも飲めず、放っておくと中耳炎につながります。夜中の不安を減らす家電は、赤ちゃんのためというより親の翌日の労働力を守るための投資だと思ってください。
鼻吸い器は吸引力より洗い物の量で選ぶ
保育園に入ると鼻風邪は日常です。据え置き型の電動鼻吸い器は買ってよかった家電のトップ3に入ります。親が口で吸うタイプと違って、自分にうつらないのも大きいです。
二大モデルの選び方はシンプルで、こう考えると迷いません。
- メルシーポット S-504:吸引圧はマイナス83kPa前後で耳鼻科レベル。実勢価格は約9,799円と安め。ただしパーツが多くて洗い物が増える
- シュポット(ピジョン):吸引圧はマイナス80kPa前後で家庭用には十分。鼻水キャッチカップがあるので長いチューブを洗わなくていい。価格は約14,300円
ひどい鼻づまりに備えたい、コスパ重視ならメルシーポット。深夜の洗い物を一つでも減らしたいならシュポット。私は洗い物を減らす側に5,000円払う価値があると思っていますが、ここは家庭の思想が出るところなので、夫と相談してください。
Cubo Aiで「呼吸してるか確認」を機械に外注する
これは余裕があれば、のカテゴリですが、私は二人目で導入して本当に救われました。Cubo Aiは小鳥の形をしたカメラとベッド下に敷くセンサーパッドのセットで、顔が布団で覆われた状態、うつぶせ寝、咳、決めたエリアからの脱出をAIが検知してスマホに通知してくれます。
一人目のとき、私は夜中に何度も起きて娘の胸が上下しているかを確認していました。寝ているのに休めていない、あの状態が一番削られます。監視という仕事を機械に渡すと、安全はシステムが見てくれているという感覚になって、やっと深く眠れるようになりました。数万円しますが、これは睡眠を買う買い物だと思っています。
両手が空く魔法、バウンサーBliss
最後は、産後の家事をなんとか成立させてくれた立役者です。ベビービョルンのバウンサーBlissは生後1か月から2歳くらいまで使えて、赤ちゃんが自分で手足をバタバタさせた力で自然に揺れる仕組みになっています。電動じゃないのに、なぜか機嫌よく乗っていてくれる。
このアイテムの価値は、赤ちゃんを楽しませることではなく、親が安全に両手を離せる時間を作ることです。夕飯を作る間、自分がシャワーを浴びる間の脱衣所、洗濯物をたたむ横。どこにでも連れていけて、置いた場所で勝手に機嫌よくしていてくれる。重さは約2.1kgと軽いので、ワンオペの日の室内移動がまるで違います。
メッシュタイプなら通気性がよくて、吐き戻しやおむつ漏れで汚れてもシートを外して洗濯機で洗えて、乾くのも早い。ここでもやっぱり、洗える物が生き残ります。
ちなみにうちは2歳になった息子が「自分の椅子」として絵本を読む場所にしていたので、想像より長く現役でした。使用期間が長い物は、1日あたりの単価で考えると案外安いです。
正直に言うと、買わなくてよかった物もあります
おすすめだけ並べる記事は信用できないと思っているので、うちで余った物も書いておきます。ただしこれは我が家の生活パターンでの結果なので、あなたの家では正解かもしれません。
- 新生児用の肌着を大量に買った:吐き戻しの量も体の成長スピードも読めないので、最初は最低ラインで。足りなければ夫にネットで頼めば翌日に届きます
- 新生児向けのおもちゃ:うちの子はメリーよりエアコンの風で揺れるカーテンを見ていました。おもちゃは生まれてから反応を見て買うほうが当たります
- おむつの大量買い:サイズアウトの速度と肌に合うかどうかが未知なので、まずは1パックずつ試す
- ベビーベッド:狭い賃貸だと生活動線をつぶします。レンタルで様子を見てから決めればよかったです
産前にリストを全部埋めたくなる気持ちはすごくわかります。私も埋めました。でも本当に必要な物は、生まれてからの3日でわかります。ネット通販が翌日に届く時代なので、産前は「なくて困る物」だけ揃えて、残りは生まれてから追加するのが一番損が少ないです。
予算が足りないなら、この順番で買ってください
全部揃えると軽く10万円を超えます。うちも一度に買っていません。産前と産後で分けるのが現実的なので、私が推す順番を置いておきます。
産前に買うもの
- 妊娠線クリーム(今日始めないと間に合わないので最優先)
- 抱き枕(産後は授乳クッションになるので二度おいしい)
- 骨盤ベルト(腰と恥骨が痛くなってから買うと動けません)
- 抱っこ紐(退院日から使うので、夫と一緒に試着しておく)
- ペアレンツバッグ(入院バッグとして使えます)
産後1か月までに買うもの
6. 哺乳瓶の除菌乾燥器(ミルクを使うと決まった時点で即)
7. 液体ミルクとアタッチメント(外出と防災用に常備)
8. バウンサー(家事が回らないと気づいた瞬間に)
余裕が出たら買うもの
9. 電動鼻吸い器(保育園に入る前に必ず)
10. 見守りカメラ(別室で寝たい、深く眠りたいなら)
迷ったら、自分の睡眠時間が増える物から買ってください。母親の睡眠は家庭のインフラです。ここが落ちると全部が落ちます。
よくある質問
まとめ:出産準備は赤ちゃんのためだけじゃない
出産準備を「赤ちゃんを快適にする買い物」だと思っていた一人目の私に、二人目の私が言いたいのはこれです。出産準備は、私と夫が心も体も壊さずに育児を続けるためのインフラ投資でした。
ボタン一つで終わる除菌器、缶のまま飲ませられるミルク、前で留められる抱っこ紐。どれも一見「楽をするための物」に見えますが、実際は夫が育児に入ってこられる入口を作る道具です。私一人が全部覚えて全部やる体制をやめた瞬間、うちの育児はやっと二人で回り始めました。
完璧なママにならなくていいです。手を抜くというより、機械と夫に正しく渡す。それだけで、産後の日々はだいぶ生き延びやすくなります。あなたの出産準備が、赤ちゃんとあなた自身の両方を守るものになりますように。応援しています。
※価格は変動するので、購入前に最新の情報をチェックしてください。
※この記事は私自身の経験と各種口コミをもとにした情報提供です。体の痛みや赤ちゃんの体調が気になるときは、かかりつけの産婦人科や小児科にご相談ください。

